オフシーズンの靴の保管:素材別の注意点
修理の依頼で多いのは、「久しぶりに出したら状態が悪くなっていた」というケースです。保管中のトラブルの多くは、しまう前のケアと保管場所の選択で防ぐことができます。
革靴をしまう前にすること
まず汚れを落とします。泥や塩分が残ったまま保管すると、革の表面を傷める原因になります。汚れを落とした後、保革クリームを薄く塗布して革に油脂分を補います。クリームが乾いたら、シューキーパーを入れて型を保ちます。
シューキーパーは、保管中の型崩れとシワの深化を防ぐために重要です。スプリング式のシューキーパーは甲の部分に適度なテンションをかけるため、長期保管に適しています。
スエードとヌバックの保管
スエードは保管前に防水スプレーを塗布しておくと、次のシーズンに取り出したときの状態が良くなります。ブラッシングで毛並みを整えてからスプレーし、乾燥後に再度ブラッシングします。
保管中にカビが発生しやすい素材でもあります。通気の良い場所に保管し、ビニール袋には入れないでください。不織布の袋や、箱に入れる場合は蓋を少し開けておくことをお勧めします。
ウレタン底の靴の注意点
ウレタン底(EVAソールを含む)の靴は、履かずに保管しているだけで加水分解が進みます。これは素材の化学的な劣化であり、ケアで完全に防ぐことはできません。
長期保管の場合は、定期的に取り出して状態を確認することをお勧めします。ソールが白く粉を吹いていたり、触ると崩れるような感触がある場合は、加水分解が進んでいるサインです。この状態になると修理の選択肢が限られるため、早めにご相談ください。
保管前の三十分のケアが、次のシーズンの靴の状態を大きく左右します。しまう前に一度、靴の状態を確認する習慣をつけていただければと思います。